tailwalkの新作ボートシーバスロッド【BOATGAMER SSD】

BOATGAMER SSDのコンセプト

tailwalkより発売になったボートゲームロッドBOATGAMER SSD。ボートシーバスをメインとして、青物やマゴチ、クロダイなどベイゲームのキャスティングゲームを全てカバーするロッドシリーズです。

 

全て私の方でプロデュースしたラインナップになりますので、全体的なコンセプトから各ロッドの特徴まで全てこのブログでご紹介させて頂きます。

良く曲がって良く飛ぶ

僕がガイド中お客様のキャストを見ていて思う事は、ロッドをしっかり曲げてキャストが出来ている人が少ないと感じます。もっとしっかり曲げてキャストが出来れば飛距離も出るし、風に負けない伸びるキャストが出来るのにと思う事が非常に多いのです。

 


そんな思いからBOATGAMER SSDシリーズは、通常よりも少し柔らかめの設計のテーパーを採用してキャスト時にロッドがしっかり曲がって、気持ちよくルアーが飛んで行ってくれることを意識して作りました。ボートゲーマーSSDS610MLで釣れたサワラ。ルアーはHUミノー111Sスエピカピカイワシ

竿のしなりを利用して、強いキャストをすること。これが出来ると方向も定まるようになるので、ストラクチャー撃ちも簡単に出来るようになります。強いキャストが出来れば風が吹いても風に負けないキャストが出来るようになるので、飛距離を保って風の影響を最小限で釣りをすることが出来ます。また単純にいかなる場合でも飛距離が伸びます。

 

ボートシーバスというカテゴリーの釣りはキャスティングがかなりの割合を占める釣りです。つまりキャストが出来れば魚が釣れるということです。BOATGAMER SSDは全ラインナップ良く曲がって良く飛ぶ、キャスティングが気持ち良く出来るロッドを意識して作りました。

良く曲がってバレにくい

BOATGAMER SSDは良く曲がってバレにくいをコンセプトとしています。ロッドが曲がるとなぜ魚がバレないか。それは曲がっている間はロッドがテンションをかけ続けてくれるからです。テンションが掛かり続けていれば針は刺さり続けます。だからバレにくいのです。

 


しっかりと曲がるロッドは、硬いロッドにありがちなテンション掛かり過ぎでの口切れも少ないです。ボートシーバスでのキャッチ率はヒットに対して50%くらいと言われています。このキャッチ率をロッドの力で少しでも上げたいと思い、良く曲がりバレにくいロッドが欲しいと考えBOATGAMER SSDシリーズにその考えを落とし込みました。


ヒットはするけど中々キャッチ出来ずに終わってしまう、そんな日がガイドをしていると少なからずあります。釣り人的にももちろん残念だとは思いますが、ガイド的にも本当に残念でならない日です。掛からないよりも悔しいかもしれません。

 


バラした魚を1匹でもキャッチ出来ていれば、良い日だったと思える日があると思います。釣りに行ったら必ず魚をキャッチして良い日にして欲しい、そんな思いがS610MLを含めたBOATGAMERSSDシリーズには込められています。

良く曲がって掛けやすい

ボートシーバスは様々なルアーを駆使して狙う釣りではありますが、基本的には巻きの釣りです。リトリーブ中心の釣りということですね。

 

BOATGAMER SSDは、バスロッドでいうクランキングロッド的なバイトに対する乗りの良さを意識してテーパーデザインしています。巻いている最中のバイトに対して、バイトを弾いてしまうことなくオートマチックに魚を掛けてくれるロッドです。

ボートシーバスでは乗らないアタリが非常に多いです。これはやった事がある方は良く分かると思います。この乗らないアタリを掛ける為にはフッキングで解決する事が出来ません。フッキングは掛かってからフックを貫く作業なので、まず魚がフックに掛からないとフッキングが出来ないのです。

 

このまず魚にフックをかける作業はロッドの仕事です。バイトに対してロッドが追従して、針を立てる。この作業をオートマチックに行ってくれるロッドがBOATGAMER SSDです。つまり、乗らないバイトが減るということです。

S66L

BOAT GAMER SSDシリーズの中で、最もライトなルアーを投げるためのモデルS66L。S66Lは日中のテクニカルな釣りとナイトフィッシングを意識したモデルです。 ボートゲーマーSSDS66Lロゴ写真

テクニカルゲームに

小さめのトップウォーターやワームなど、ロッドアクションでチョンチョンと誘う釣りが使用しやすいようにS66Lは作りました。

 

軽いルアーを投げるという意味でもロッドの柔らかさは必要ですが、このチョンチョンアクションがやりやすいように柔らかいテーパーにしているというところも多分にあります。細かいアクションはロッドを手首で動かす意識というよりは、ロッドの弾性を使ってラインを張ったり緩めたりするという感じで動かした方がより細かく楽にルアーにアクションを加えることが出来ます。イメージでいうとシェイキングに近いアクションです。

 

このシェイキングアクションはロッドが柔らかい方が断然やりやすくなります。またアクション中に魚が掛かった際も食い込みをよくしたいと考え、ティップからベリーまでかなり柔らかめな設定にしてあります。  

ボートゲーマーSSD S66Lで釣れたイナダ

 

トップウォーターやワームのミドスト的なアクションのつけやすさはS66Lの特徴の一つではありますが、10グラム以下のミノーやシンペンを投げて巻く釣りにももちろん対応しているロッドです。ミノーでいえばX-80やビーフリーズ78、シンペンでいえばワンダーなどのボートシーバスで代表的な小型プラグを投げる事ももちろん意識して作りました。やはり小さいプラグの方が釣れるという状況やポイントというのは必ずありますので、そんなときにS66Lは必要なロッドです。

ナイトの釣りにも

小型のミノーとシンキングペンシルは、日中の釣りはもちろんのことですが、ナイトの釣りでも活躍するルアーです。ゆっくり巻いてバイトを誘う釣りは、ロッドの食い込みの良さが釣果に直結する釣りです。特にバチやアミなどを捕食している時の吸い込みが弱く、食い込みが良くない時にバイトを弾かないようなテーパーにしてあります。

 

個人的には、尺メバルのトップウォーターの釣りにも使えるのではないかと考えています。近年東京湾ボートメバルでは、デカメバルを獲るためにプラグが最大で150mmほどと大型化してきています。もはやシーバスプラグとしても大きいサイズのバチ系ルアーを投げる為、既存のメバルロッドでは全く対応ができません。

 

そうなるとシーバスロッドになるのですが、シーバスロッドでもオカッパリ用の長いロッドはバチパターン向けのロッドは存在しますが、それだと長すぎてストラクチャー撃ちがかなり困難になります。S66Lならバチプラグも投げれて、ストラクチャー撃ちもこなせる長さなので、ボート尺メバル狙いにぴったりです。

オープンエリアでもストラクチャーでも

日中の釣りにせよ、ナイトの釣りにせよ、小さいルアーの釣りが活躍する場面は比較的ストラクチャー周りの釣りが多いです。ストラクチャー周りの釣りは、ロッドが短いほど取り回しが楽な為、ロッドの長さは可能な限り短くしました。

 

しかし、もちろんですがオープンエリアで小さいベイトを偏食していたりするケースも多々あります。そのようなケースを想定して、飛距離が足りなくならないギリギリの長さであり、さらに取り回しが楽、シェイキングアクションが辛くならないバランスの取れたレングスが結果6フィート6インチというレングスに辿り着きました。既存のロッドにも多くあるレングスですので、誰が使ってもしっくりくるロッドだと思います。


S610ML

BOATGAMER SSDシリーズの中心的モデルとなるS610ML。場所もルアーも問わないオールマイティに使える一本です。 ボートゲーマーSSDS610ML ロゴ写真

遠投性と取り回しを両立

S610MLはボートシーバスをこれから始めるという方に、まず一本目に買っていただきたいロッドです。汎用性が高いロッドで、あらゆる場所、あらゆる状況、あらゆるルアーに幅広く対応するロッドに仕上げました。

 

ボートゲーマーSSDS610MLで釣れたシーバス。ルアーはHUミノー111Sスエキンキライワシ

遠投性能を考えると7フィート台にしたいところだけど、7フィート超えると細かいストラクチャー周りに投げる難易度が上がってしまいます。加えてミノーのジャーキングも7フィートを超えると途端に疲れます。6フィート後半なら遠投性能と取り回しの両立ができるという考えからこのレングスに落ち着きました。


多くのメーカーがオールマイティモデルとして6フィート10インチをラインナップしているのは結局このような理由なのではないかと思います。

高い汎用性のオールマイティモデル

初心者の方に限らずS610MLは非常にオールマイティなモデルですので、持ち込めるロッドの本数が少ない船や、何を持っていくか迷った時、年間通して常に一本積んでおくという使い方においても非常におすすめな1本です。

 

僕はガイドに持って行くロッドの本数は基本2本までと決めています。お客さんの邪魔になる為あまりロッドの本数を持って行きたくないのです。年間通して多い組み合わせでいうとS610MLと、穴撃ち・ジギング用にC66MLの2本。この2本でハイシーズン以外の全てのシーズンのほとんどの釣りをカバーします。  

ボートゲーマーSSDS610MLで釣れたイナダ。ルアーはTDペンシル

 

S610MLはルアーのウェイト的にもそうですが、オープンエリアからストラクチャー撃ちまでシチュエーションも選ばないロッドです。またシーバス、イナダ、サワラ、サバなどキャスティングで釣れるターゲットを幅広くカバーするので、ボートシーバスのみならず湾内のキャスティングゲーム全てに欠かせない1本です。

一番使いやすいルアー

オールマイティなモデルですが、このロッドの一番使いやすいルアーでいえば、11〜13センチ程度のミノーと、1オンス程度の鉄板バイブやスピンテール、樹脂製バイブレーションです。   ミノーは1日ジャークをし続ける事が出来るほど軽快に操ることが出来ます。バイブレーション類に関しては、ティップに適度な張りがありますので、振動を感じやすくルアーが今どうなっているかが分かりやすいロッドです。

  BOATGAMERSSDS610MLで釣れたシーバス。ルアーはHUミノー111Sスエピカピカイワシ

 


S73M

S73Mはスピニング3機種の中で(BLACK&FLATは除く)最も重量のあるルアーを扱うことのできるロッドで、オープンエリアでの長距離戦に強いロングディスタンススペシャルモデルです。ランカーシーバスはもちろん青物釣りにもぴったりな一本です。 BOATGAMERSSD S73Mのロゴ写真

飛距離重視のロングロッド

S73Mで僕が想定したど真ん中のルアーは、11センチ以上の大型のミノーと、1オンス以上の鉄板バイブ、ロングの鉄板バイブです。これを、障害物のないオープンエリアの広い場所で、バンバン投げまくるスタイルの釣りに特化したモデルがS73Mです。  

ボートゲーマーSSDS73MとSPEAKYのセットで釣れたシーバス。ルアーはHUミノー111S

オープンエリアの釣りは、遠くまで飛ばせるほど釣果が伸びるという一面があります。という事で、ロッドとしては7フィート以上のロングレングスが必須の釣りです。ロッドは長くするほどキャストの飛距離は伸びますので、飛距離重視という事であればもう少し長くしてもよかったのですが、長くし過ぎるとミノーのジャーキングの際に手が辛くなるのと、狭い船内でのキャスティングの危険性も考慮して7フィート3インチというレングスにしました。

バイブレーションの釣りを想定したテーパーデザイン

飛距離重視のロングロッド。もっと言えば、基本的にはバイブレーションメインのロッドとしてS73Mは考えました。その為他のロッドとは少し毛色が違います。BOATGAMER SSDシリーズの特徴は、よく曲がって投げやすく、掛かりやすく、バレにくいをコンセプトにしています。S66L、S610ML、C66ML、C65XHの4機種については、このコンセプトで考えました。

 

その中で言うとS73Mは少し硬めの設計です。理由としては三つあります。一つ目の理由は、引き抵抗の強いロングバイブレーションなどを巻いたと時に、ロッドが曲がりすぎて手が辛くならないようにという為です。  

 

ボートゲーマーSSDS73Mと鉄板バイブで釣れたシーバス

ロッドは曲がる程にガイドの抵抗が増し、リールを巻く手が辛くなってしまいます。とかく鉄板バイブレーションの特にロングの鉄板は、引き抵抗が他のルアーに比べて非常に大きいです。S73Mは引き抵抗の大きいロングバイブレーションを引いた時にも必要以上にロッドが曲がることがないので、スムーズに楽にバイブレーションを引くことが出来ます。

 

二つ目の理由はバイブレーションの波動を感じやすいようにです。柔らかくてロッドが曲がりすぎてしまうとバイブレーションの振動が手に来る前にロッドで吸収されてしまい、バイブレーションが動いているかどうかの波動を感じづらくなります。S73Mは硬さを持たせることで、手に波動がしっかりと伝わるようにしました。

  ボートゲーマーSSDS73Mと鉄板バイブLONGで釣れたシーバス

三つ目は硬い方が重いルアーは飛ばしやすいという事です。特に風の抵抗の大きいロングバイブレーションは、しっかりと風を切って初速を出してあげないと飛距離も伸びませんし、ルアーにラインが絡むトラブルが多発してしまいます。加えてあまり柔らかいロッドで重いルアーを投げると、しなりすぎて自分で自分を釣る人が出てきてしまうとも考えた為です。

 


この三つの理由から、S73Mは他のラインナップのロッドに比べて少し硬めにしてあります。バイブレーションを使う為に作ったロッドですので、バイブレーションの釣りにはすこぶる使いやすいロッドです。

ジャーキングにも使える

最近の東京湾では冬~春にかけてオープンエリアで釣れ続くという現象が起きています。バイブレーションとミノーどっちが効くは日替わりです。日によっては潮替わりで代わる代わる訪れることも珍しくなく、毎日目まぐるしく変わるパターンをハメていくような感じです。

 

この状況、ミノーとバイブレーションどちらがハマるかわからないので、本来ならS610MLとS73Mの2本持って行きたい状況です。しかし船長がロッド何本も持っていくのもいかがなものかと思い、ミノーパターンの場合でも僕はS73Mでひたすらジャークをしています。このロッドを作った時はジャーキングは流石に辛いかと思っていたのですがやってみると意外と楽でした。

 

これは竿が硬めなので思いっきりジャークしなくても小さい入力で力がしっかり伝わってくれる為です。小さい入力なら力を使わないので楽にジャーキングする事が出来ます。

 

また、S73Mはロッドにパワーがあるのでファイト中の疲労は少なくて済みます。数が釣れる日にガンガン上げてくるようなパワーファイトはS73M向きです。パワーがあって硬めといっても、粘りのある味付けのブランクスですので、バレづらく確実にキャッチする事が出来ます。

青物にも対応

ロングディスタンスが武器になる釣りとしては、サワラやイナダなどに代表される青物キャスティングの釣りです。この青物釣りにもS73Mはもちろん対応しています。時間をかけてファイトすればブリクラスだって問題なく上げられるパワーを要しています。  

 

S73Mはロングレングスを生かしたロングディスタンスのキャスティングが効いてくる状況が得意ですので、まずナブラ撃ちやボイル撃ちの状況で強いです。射程距離が広いので、ヘビーシンキングミノーや、メタルジグをボイルやナブラめがけて狙い撃ちする事が出来ます。

 

またジャーキングの釣りもS73Mは非常に得意です。パワーがあるので少ない力で疲れる事なくジャーキングをし続ける事ができるので、1日中ジャーキングパターンだったとしても投げ倒す事が可能です。また、通常のシンキングミノーもしっかり飛ばして抜群の飛距離を出します。

 

青物も最近釣れてるよ、サワラも跳ねてるよなどの情報が入っているときは、必ず船に一本S73Mを積み込みましょう。


C66ML

C66MLは、東京湾ボートシーバスの代名詞的な釣りとしても知られている穴撃ちフリップキャストの釣りをするためのロッドです。フリップキャストはオーバーヘッドキャストに比べると、難易度の高いキャストの一つです。穴撃ちがしたい!フリップキャストをしてみたい!出来るようになりたい!そんな方に向けてこのロッドを作りました。

ボートゲーマーSSDC66MLロゴ写真

フリップキャスト入門ロッド

最近の東京湾では、穴撃ちのエキスパートほど硬くて長いロッドを使う傾向にあります。それは、なるべくフリップキャストで飛距離を出したい、穴の奥の奥へ届かせたいという目的からです。

 

メリットはあるものの、硬くて長いロッドは初心者には正直使いづらいロッドです。まず初心者の方はロッドが硬いと下向きにロッドを振ってロッド曲げることが出来ません。曲げることが出来ないとルアーが飛ばせません。加えて、ロッドが長いと下にロッドを振るスペースがないので、余計にフリップキャストがしにくくなってしまいます。  

ボートゲーマーSSDC66MLプロトとフルレンジリールのセットで釣れたシーバス。ルアーはエアディープ

硬くて長いロッドのメリットは、基本的なキャストの動作が出来た上で生きてくる飛距離が出るというメリットですので、そもそものキャストがちゃんとできないと飛距離どころか上手く投げれません。  

 

C66MLは東京湾で一番使う10g前後のルアーウェイトをフリップキャストでしっかり曲げて、気持ち良く投げることが出来る硬さというところにまずはこだわりました。C66MLは初心者でもフリップキャストでロッドをルアーの重さでしっかり曲げて飛ばすことが可能です。

 

ロッドを柔らかくするとキャストはしやすくなりますが、飛距離が伸びないというデメリットがあります。しかし、柔らかいロッドでもしっかり曲げて飛ばせば実釣で必要十分な飛距離は出ます。投げやすい柔らかさで、かつ飛距離が死なない硬さをC66MLはしっかりと確保してあります。

 

キャスト時の柔らかさというのは、魚がかかった時の柔らかさにもつながります。魚がかかった時にもしっかり曲がってくれるロッドは、バイトを弾きずらいし掛かったらバレにくいです。近距離でのバイトが多い穴撃ちの釣りは、ロッドにある程度のクッションがないとルアーをバクっと食われてバイトが乗せきれないことが多くなってしまいます。C66MLは近距離バイトもしっかり乗せることが出来ます。

 

C66MLは全体的に柔らかめには作ってますがバットパワーだけはしっかり持たせてあります。フッキングについては、バイトが乗ってロッドが曲がり切った時点で、フッキングがオートマチックにできるようなバットパワーを持たせています。そのバットパワーを使って、障害物からシーバスを引きずり出す事も可能です。

フリップキャスト~ジギングまで障害物回りでマルチに使えるロッド

C66MLは、フリップキャストがやりやすいロッドというコンセプトなのですが、それだけしか使えないロッドというのも作りたくなかったので、他に二つの釣りを意識して作りました。

 

・フリップキャストの穴撃ち

・オーバーヘッドキャストやアンダーハンドキャストでの障害物回りの釣り

・30~40gのジギング  

 

合計でこの3つの釣りが、C66MLで可能な釣りです。

 

穴撃ちしつつ、そのままバース周りや船回りなどのフリップキャストが必要ではない障害物回りに行った時にもそのまま投げれるようなロッド。ジギングシーズンではないシーズンで、ワンポイント的に軽いジグを沈めたいときにジギングでも使えるようなロッド。こういう事が同時に行えるロッドが欲しいと思っていました。

   

ボートシーバスは小さいボートに複数人で乗る都合上、持ち込める竿の数に限りがあるので、なるべく持ち込むロッドの本数を減らしたいという思いがあります。ですので1本でマルチに釣りが可能なロッドの方が僕はボートシーバスでは価値のあるロッドだと思っています。C66MLがあればストラクチャー周り全般の釣りとジギングまでカバーできます。

 

フリップキャストが出来るようになりたいという方はもちろんの事、障害物回りの釣りをする際のロッド選びに悩んでいる方にC66MLは是非使って頂きたい一本です。


C65XH

C65XHはボートシーバス専用に開発したビッグベイトロッドです。ビッグベイトロッドは様々市場に存在すると思いますが、ボートシーバス専用のビッグベイトロッドは存在しません。ボートシーバスにはボートシーバスに使いやすいビッグベイトロッドが絶対欲しい!という事で、ラインナップに加えました。このロッド、実はベースとなっているロッドがあります。

ジョインテッドクローマグナムで釣れたシーバス。フルレンジC65XHとエランワイドパワープラスのセット
 
tailwalkのバスロッド、フルレンジのC65XHです。
 
 
一昨年からこのフルレンジC65XHを、コノシロシーズンのビッグベイトパターンに使っていました。とにかく非常に使いやすかったのでボートシーバス専用のビッグベイトロッドとしてリファインしたロッドがBOATGAMER SSDのC65XHです。
 
 
では、元となるフルレンジC65XHの何が使いやすかったのか。それはなんといっても短さです。

ロッドアクションが楽なボートシーバス専用ビッグベイトロッド

まず、ボートシーバスで使うビッグベイトの種類ですが、

 

①S字系他スイムベイト(ジョインテッドクロー、ダヴィンチ、ダウズスイマー等)

②デカトップ(マグナムザラ、メガドック、オシアペンシル等)

③ジャークベイト(ビッグバンディット)

④マグナムスプーン  

 

大きく分けるとこの4種類に分類されます。

 

この中でロッドアクションが必要なルアーは②デカトップと③ジャークベイト系のルアーです。基本的にこの2種類のルアーはアクションさせる為に、ロッドを煽り続けなくてはなりません。この、ロッドを煽り続けなくてはいけないという動作がポイントです。

 

7フィートを超えるロッドは、このロッドを煽る動作をするととにかく疲れます。フルキャストしたら一投目から前腕が痛くなります。

メガドッグで釣れたシーバスエランワイドパワープラスとボートゲーマーSSD C65XHのセット。吐いたコノシロ

それが6フィート台のロッドになると、突然アクションが楽になります。1日続けても手が痛くならないほど楽になるのです。初めてフルレンジのC65XHを使った時は本当に楽でそれはもうビックリしたものです。

 

楽なだけ?そう思うかもしれませんが、コノシロパターンにおいてロッドアクションが楽なことは、非常に大きなアドバンテージになります。というのも、ビッグベイトの釣りは時合いは一瞬、もしくはひたすらやり続けてポロポロ拾える、そんな状況が多い釣りです。

 

その状況で必要なのは信じて投げ続ける事。ルアーを動かし続ける事です。でも、ルアーを動かすのに疲れて投げるのをやめてしまっては、次の一投で来るかもしれないチャンスを道具のせいでつぶすことになってしまいます。これは非常にもったいない事です。

それが6フィート5インチのレングスなら1日ルアーを動かし続けられます。チャンスを逃しません。短くなって気になることといえば飛距離でしょうが、そもそもが重いビッグベイトなので、十分6フィート5インチで飛びます。

 

もちろん長いレングスのロッドよりは飛距離は落ちていますが、落ちた飛距離が釣果に影響が出ている程とは全く思っていません。それよりも疲れ知らずで数を投げれるメリットの方が何倍も大きいと思います。

バス用、オカッパリシーバス用ビッグベイトロッドとの違い

バス用のビッグベイトロッド、シーバス用のビッグベイト用ロッド、ビッグベイト用ロッドと呼ばれるロッドには大きく分けてこの2つの釣りのカテゴリーのロッドが存在します。

 

フルレンジC65XHのようにボートシーバスに使えるロッドもありますが、そのほとんどはボートシーバスに向かないロッドです。というのもバス用ビッグベイトロッドは、フロロカーボンラインを使用することを前提としているため、PEラインを使用するボートシーバスには硬すぎるロッドが多いです。一方でシーバス用ビッグベイトロッドはオカッパリ向けのロッドの為、飛距離を重視しているので長すぎて使いづらいです。

 

硬すぎる、長すぎると何が使いづらいのか?まず、硬すぎると魚がバイトした時に乗りづらいし、乗ってもバレやすいです。ビッグベイトに限った話ではありませんが、ロッドは曲がらないと、バイトを弾きます。曲がらないとテンションを掛け続ける事が出来ないためバレます。硬いことでのデメリットは、魚からのバイトが得られたときに生まれるものです。

 

一方で長すぎるデメリットはどこにあるか。まず前述した疲労感に対するデメリットがあります。この他に、そもそもロッドアクションがしづらいというデメリットもあります。

メガドッグで釣れたシーバスボートゲーマーSSDC65XH

ロッドが長いと足場の低い船の場合、ロッドの長さが邪魔して下方向にロッドをさばけません。これは想像以上にストレスです。

 

投げた先の遠くのルアーにアクションをつけるにはロッドを上方向にさばけばいいのですが、近くなると上にさばくとルアーが浮いてしまいます。その為に下方向にさばけないロッドはキャスト毎にストレスを感じて釣りをする事になります。

 

オカッパリ用のビッグベイトシーバスロッドは、グリップも長めのものが多いので、ロッドアクションの時にグリップエンドが非常に邪魔です。特に、10~12月のハイシーズンは、防寒着などを着て釣りをする機会が多い季節です。そうすると防寒着の脇のところにグリップエンドがいちいち引っかかって本当に面倒でとにかくストレスです。

 

BOATGAMER SSD C65XHは、アクション時に邪魔にならないように、グリップを必要最低限の長さにしてあります。ロッドアクションの時に全く邪魔にならず、ストレスなくロッドアクションを加えることが出来ます。

スイムベイトとマグナムスプーンを使うときのメリット

ストラクチャー周りを狙うスイムベイト系のビッグベイトの釣りに関しては、キャスト精度が上がるというメリットがあります。

 

ストラクチャー周りでのビッグベイトパターンの際には、キャスト精度は非常に重要なファクターの一つです。短いロッドならキャスト精度が格段に上がります。短いことに加えてC65XHは、普通のビッグベイトロッドよりも、硬さを少し柔らかめに設定してあります。

 

ビッグバンディットで釣れたシーバス。ボートゲーマーSSDとワイドバサルのセット 柔らかく設定してあるので、狭い場所で自由にロッドを振れない場所でも、短いテイクバックでしっかりとロッドを曲げて投げることが出来ます。短く良く曲がって投げやすく動かしやすい。ストラクチャー周りのビッグベイティングでC65XHは非常に使いやすいロッドです。

 

マグナムスプーンに関しては、短い事でのメリットよりも少し柔らかめのブランクスという部分にメリットがあります。マグナムスプーンは、スプーンがフォールしている最中にバラバラと動いている動きがわかると非常に釣りやすいルアーです。

 

動きの変化をロッドのティップ部分で感じている為、硬いロッドよりも少しティップに柔らかさのあるロッドの方が適しています。XHパワーながら柔らかめのC65XHはマグナムスプーンも自在に操る事が出来ます。

フルレンジとBOAT GAMER SSDの違い

フルレンジに比べてBOATGAMER SSDのC65XHは硬さのみすこし柔らかくしました。それだけ?それだけです。もともとフルレンジC65XHにほとんど不満はありませんでした。

 

ただ、やはりバスロッドとして設計しているためにPEラインで使用した際の少しのツッパリ感みたいなものを感じていたので、その部分を少し柔らかくして、レギュラーテーパー寄りのPEライン向けのロッドに仕上げました。でもそれだけで、短くて動かしやすく、乗せやすくバレにくいボートシーバス用のビッグベイトロッドが出来ました。

 

C65XHに限ったことではありませんが、BOAT GAMER SSDシリーズで心がけたことは、ロッドに対するストレスをなるべくなくすことです。硬いことで生まれるストレス、ブランクスやグリップが長いことで生まれるストレスをなくしたいという思いから、短めのレングスのC65XHというロッドをボートシーバスロッドとしてプロデュースしました。もともとが使いやすいロッドなので本当に自信作です。コノシロパターンに、シーバスビッグベイトに使ってみてください。


S76BLACK&FLAT

S76BLACK&FLATのBLACKはクロダイのBLACKの意味です。クロダイ釣りは様々な釣法がありますが、S76BLACK&FLATは落とし込み釣りに特化したロッドで、アイランドクルーズが独自に開発したルアーである『クロダイジョイントキャンディー』の釣りのために開発したロッドです。 FLATはフラットフィッシュのFLATで、ジグヘッドワームを使って楽しむマゴチやヒラメのスイミングやボトムワインドの釣りにも使える為、FLATの名前を冠しています。 全く異なる2魚種をマルチに狙えるロッドがS76BLACK&FLATです。BOATGAMERSSD S76BLACK&FLATで釣れたクロダイ

クロダイジョイントキャンディ

ジョイントキャンディーの釣りに関してはこちら→黒鯛タックル解説 & キャンディーの使い分け 池田   『黒鯛タックル解説 & キャンディーの使い分け 池田』のブログ内にも紹介されていますが、以前はエンチャーン黒76Titan KRという専用ロッドがテイルウォークさんから発売されていたのですが、惜しまれつつも廃版。今回リニューアルしてBOATGAMER SSDシリーズとして復活したロッドがS76BLACK&FLATです。

ジョイントキャンディの釣り自体は日々進化し続けていますが、基本的なコンセプトは変わっていませんので、ロッド自体も目指すものはエンチャーン黒76Titan KR。これにエンチャーン黒76Titan KRよりも少しの変更を加えてより使いやすいロッドを作ることが今回のS76BLACK&FLATの目標でした。

 

ただ、値段が違えば素材が違う。素材が違う中で、同じものを作る難しさを非常に感じたテストでした。その為S76BLACK&FLATのみ発売が遅れてしまいました。大変申し訳ございませんでした。

 

時間を頂いた甲斐あって非常に良いロッドが出来たと思います。特にエンチャーンと違う部分は魚を上げてくるパワーです。魚に対してのロッドの追従性が非常に良い素材の為、クロダイが暴れず、スムーズに魚が上がってきます。ストラクチャーゲームであるクロダイ釣りにおいてこれは非常に大きなアドバンテージになります。

 

繊細で正直非常に難しい釣りである、クロダイ落とし込みゲーム専用ロッドS76BLACK&FLAT。難しいが故の奥深さや、釣りの楽しさをこのロッドで味わってほしいと思います。

フラットフィッシュ

フラットフィッシュ狙いにもS76BLACK&FLATは活躍します。ジグヘッドワームを使用したマゴチ釣りがメインの釣りになります。ロッドのスペックはクロダイ落とし込み専用モデルの名残が残っておりルアーウェイトが9gまでとなっていますが、ゆっくり投げれば30gぐらいのジグヘッドまでは余裕で投げることが出来ます。

BOATGAMERSSD S76BLACK&FLATで釣れたマゴチ。ルアーはスタッガーワイド4スエジミグリーン  フラットフィッシュ狙いでS76BLACK&FLATが優れている点は、繊細なティップです。マゴチ釣りでは、リフト&フォールがメインのアクションになります。フォールは基本テンションフォールで狙います。

 

着底を感じるのは基本手感度で感じます。トンっというのを手で感じるという事ですね。これはアタリも同様です。ゴツンとくるのを手で感じてあわせるのが基本です。

 

しかしこの手感度ですが、状況によっては全く感じなくなることもあります。代表的な場面で言うと強風時です。強風時は風でラインがたわんだり船が早く流されてしまうので手感度が著しく落ちます。そんな時は目感度に頼るのですが、この目感度がS76の得意技です。

BOATGAMERSSD S76BLACK&FLATで釣れたマゴチ。ルアーはスタッガーワイド4スエジミグリーン

S76の目感度は繊細なティップが演出してくれます。手で感じる事が出来ないような状況でも、ティップの動きを見ていればアタリや着底を感じ取る事ができるのです。

 

着底を目感度に頼らなくてはならない状況は特定の状況のみですが、アタリは通常時から手に出ないアタリが沢山ある釣りがマゴチ釣りです。目感度があるかないかで釣果は全く違うものになるので、目感度のあるティップを備えたS76は非常にマゴチ釣りでアドバンテージがあります。

 

繊細なティップはもちろん必要なのですが、全体的にライトになってしまうとフッキングパワーや、リフトパワーが足りなくなってしまいます。 クロダイロッドにはストラクチャーからクロダイを引きはがすパワーがロッドに求められます。 S76BLACK & FLAT はもちろんこのパワーを備えたロッドなので、このパワーがマゴチをフッキングするパワー、底から引きはがすパワーになっています。  

 

また7フィート6インチとロングレングスなので、高さを作りやすく浅い場所でもリフト&フォールのアクションがしやすいこともメリットの一つです。またワインドにも使用できるしゃっきり感もあるので、マゴチ釣りに一本持って行くならS76BLACK&FLATがおススメです。