ブレードジギングにワンピッチジャークにJIGFORCE SSD S652-LJ

今や東京湾のみならず全国的に定番の釣りとなったブレードジギング。というか東京湾が後発ですね。発祥は広島の方とのことです。

 

後発ということでやはり釣りも遅れているのが正直なところ。あまり僕はネットや動画から情報収集をするタイプではありません。自分で釣りをしていて「これは見つけちまったな」と、してやったりで発見したと思っていたものがとっくに製品化されていり、とっくにメソッドとして確立されていたりということは珍しく無いのですが、今回紹介するロッドはまさしくそんなロッド。JIGFORCE SSD S652-LJです。

 

僕がブレードジギングロッドに求めた性能は

 

①レングスが短い

②グリップが長い

③バーチカルジギングができる

④キャスティング性能がある

 

この4つでした。こういうロッドtailwalkさんで作りましょうよって言おうと思ったら、なんだよあるじゃんという。

 

僕が作ったロッドじゃ無いので、果たして今回紹介する内容が作り手の思いそのままかどうかはわかりませんが、僕なりの解釈でJIGFORCE SSD S652-LJをご紹介します。

釣れる短いロッド

ブレードジギングは短いロッドの方が釣れます。これは間違いありません。特に沈めてから巻く、東京湾でいうと湾奥でよくある状況だと特にその傾向が顕著になります。ブレードジギングで釣果を出す上で最も大事なことはブレない早巻きです。理想的なアクションはブレードジグが一直線で真っ直ぐ進むことなのですが、これを実現するために大敵なのがロッドのブレです。

このブレですが、短いロッドほど竿先がブレづらく、長いロッドほどブレやすいのは想像に難しく無いと思います。ロッドが長ければ長いほど手元のブレが大きくなって増幅して竿先に伝わってしまうためです。短ければ短いほど伝わるブレの幅が狭くなるのでブレなくなるという訳です。

 

またS652-LJは適度な柔らかさとジギングロッドベースの弾性の低さが、さらにブレを吸収してくれます。いくらこの釣りに慣れた手練れの方でも、手のブレを100%防ぐことはできません。このどうしても出てしまうブレの部分をロッドの柔らかさが吸収して、常にルアーに対して一定のテンションをかけ続けてくれる為、ルアーにブレが伝わらず一直線にブレードジグが進むアクションを実現してくれます。

 

 

また、このブレを防ぐためにリアグリップを脇で挟んで物理的にブレを押さえ込むという必要もあります。リアグリップが短いキャスティングロッドだとグリップを脇に挟みづらいのですが、S652-LJはジギングロッドベースですのでリアグリップが長く、自然体で脇にグリップを挟んでブレをしっかり抑える事ができます。

 

また、ロッドを抑える部分が手のひらと脇の2カ所になる為、短いグリップのロッドで手のひら一カ所でグリップするよりもはるかに身体的負担が楽です。結局のところ1日やり切るというところが釣果を出す上で最も重要な部分でもあるので、疲れないというのは非常に重要な性能の一つです。

取り回しもいい

ブレードジギングは僕たちのようなガイド船でももちろん用いられる釣りですが、大きいサワラの乗合船では特に必須の釣法です。この乗合船ですが、まず一人一人のスペースが狭く、多くの場所がオーバーヘッドでのキャストができません。これは安全の為船宿でオーバーヘッドキャスト禁止のルールを定めているところもあれば、キャビンやスパンカーがある為そもそも振りかぶれないという事が要因です。

 

したがって乗合船ではアンダーハンドキャストで釣りをする事がメインとなるのですが、その際にS652-LJの6.5フィートという短いレングスが役立ちます。ロッドが長いとやはり取り回しが悪く、アンダーハンドでのキャストがしづらいです。足元の狭いスペースだけでしっかりロッドを曲げてジグを飛ばせるのは短いレングスならではのメリットです。

 

加えてキャスティング時にLJシリーズのみに施されているX-ラッピングが非常に効いていると感じています。X-ラッピングはパワーアップという面もあるとは思いますが、その恩恵を最も感じるのは僕的にはキャスティング時です。

 

特にアンダーハンドで投げる際は、船縁が邪魔なのでどうしても捻る感じでロッドを曲げてキャスティングすることになるのですが、この捻れた状態で状態でキャストすると、方向が定まらなかったり飛距離が多少死んでしまう部分があります。これがX-ラッピングを施してあると捻れが格段に減るので、飛距離も伸びてキャストの方向も定まるようになります。

 

また、これは乗合船に限らずですがファイト時や取り込む時なども足元で暴れる魚なので、短いロッドの方がネットインしやすく、船際でもたつく事も少ないです。結果キャッチ率のアップにもつながります。

バーチカルジギングもできる

ジギングロッドベースであるS652-LJの最大のメリットは、バーチカルジギングができるということです。やはりサワラを含めた青物狙いではセミロングジグを使用したワンピッチジャークが有効な場面が東京湾でも存在します。そんな時にS652-LJなら、ロッドそのままでルアーを付け替えるだけでワンピッチジャークにそのままシフトする事ができます。

 

僕の好みでもありますが、バーチカルジギングの際ワンピッチジャークでアクションをつけた時に少し張りがあるロッドで入力を強くし、ジグを横にすっ飛ばして釣りたいという思いがあります。東京湾では100〜150gのメタルジグををメインで使用しますが、2パワーのS652-LJはこのウェイトのジグを操るのにぴったりのパワーです。

 

このワンピッチジャーク時もX-ラッピングが効いて効いてる感じがします。ロッドの反発力が強いので、楽にワンピッチジャークができます。

苦手なシチュエーション

あちらを立てればこちらも立たずなのが、釣り道具というもの。良い事ずくめのように感じるJIGFORCE SSD S652-LJですが、弱点ももちろん存在します。まず一つ目はミノーなどのプラグ類の使用が不得手だということです。プラグはまず飛距離が飛ばないので使用する事が出来ないと考えていいです。

 

一つだけ使えるとすると、ヘビーシンキングミノーを沈めて早巻きする場合です。ブレードジギングと同じことをヘビーシンキングミノーでやるということですね。この場合のみS652-LJでプラグが使用できます。

 

加えて、東京湾湾口方面でよくあるナブラ撃ちやボイル撃ちはあまり得意ではありません。ナブラ撃ちやボイル撃ちの状況で、さらにガイド船等に乗ってオーバーヘッドで投げれるという状況では、短いジギングロッドよりも長いキャスティングロッドの方が飛距離面で有利になります。簡単に言うと届いたら釣れるという状況に対しては、レングスの長いキャスティングロッドの方が有利になると言うことです。

 

基本的にはブレードジギングを含めたジギング専用ロッドがS652-LJです。これ一本で全て完結出来る訳ではなく、合わせて少し長めのキャスティングロッドがサワラ釣りでは必要です。私の場合は、BOATGAMER SSDのS73Mを合わせて持って行きます。S73Mでミノーのジャーキングや、ブレードジグのナブラ打ちやボイル撃ちを含めた表層の釣りをカバーする事で、青物釣りのあらゆる状況に対応します。(お好みでS72MHやS610MHでもいいと思います。)

 

湾奥のブレードジギングにスペシャルな一本!JIGFORCE SSD S652-LJ!!サワラ釣りに必須の一本です!!