S65M/G
S65M/Gは6フィート5インチの短めのグラスコンポジットロッドです。10センチ以下のミノーやトップウォーターをメインで使用する為のロッドで、短いレングスを生かした細かいトゥイッチやロッドアクションが得意です。フッコサイズが中心となる釣りでも、グラス特有のしなやかなブランクスがバイトをしっかり乗せて、バラしを軽減し、確実にキャッチまで導くことが出来ます。
という感じでひとまとめになるはずのロッドだったんですが使ってみてビックリ。正直このロッドの魅力はそれだけではありませんでした。
まず驚くべきは感度。グラスなのに本当に感度が良くて驚きました。バイブレーションの細かな波動を、フルキャストして水深10mまで落としても感じ取れる感度は、もはやグラスロッドのイメージではありません。グラスは感度が悪いなんていうイメージは、もう時代遅れなんだなと感じました。
やっぱりバレない。そして軽い
いい意味で感度の面では裏切られたグラスの性能ですが、他の性能についてはどうでしょうか?グラスはバレない。とよく言われていますが、これについてはイメージ通り。間違いありませんでした。
カーボンロッドとは全然違う引きの吸収の仕方をします。突っ張るところが一つもなく淀みなくスムーズに曲がってくれて、シーバスが首を振っても隙間なく追従する感じです。ラインが緩むことが一切なくフックが抜ける感じが全くしない感じはグラス特有の曲がり方だなぁと感じました。
それが小さいセイゴからフッコクラスのシーバスでもしっかり曲がってくれるというのがこのロッドのすごいところ。多分皆さん気にしてないと思うけど、実はランカーシーバスよりもキャッチ率はセイゴサイズのシーバスの方が低いはず。夏の鉄板バイブで釣るセイゴなんて超キャッチ率低め。みんなセイゴだからって気にしてないけど、そのセイゴが獲れるか獲れないかで釣果が大きく変わってくる日だってあるはずです。そんな日にS65M/Gは非常に重宝します。小さい魚から大きい魚までバラさない。
そしてグラスのもう一つの負のイメージである重いという部分ですが、コレもイメージとは全く違います。ほぼ同じスペックであるS66L(102g)と比較しても、S65M/G(102g)は全く同じ重さで、ロッドを握った感覚も軽いの一言です。
S65M/Gの使い方
しかし、もちろんですが全て万能の最強ロッドというものはない訳でS65M/Gを使用するにあたっての注意点というか、使い方をご紹介します。
まずはキャスティングです。やはりグラス感というものはあるので、普通のカーボンのロッドに比べて1テンポ溜めというか遅れてルアーが飛んでいく感じがします。また反発力が少ないので、重いルアーに関してはしなりで飛ばすというよりは、遠心力で飛ばすイメージの方がルアーの飛距離は伸びます。
続いてはフッキングです。バイトに対してシーバスが乗って、ロッドがガッツリ曲がった段階で、バッド部分でフックを刺すイメージで、ロッドを立てるor横に引っ張ることでフッキングが決まります。通常のロッドよりもさらにバッドまで曲げてからフッキングするイメージです。
ロッドの使用用途としての向き不向きの部分ですが、抵抗感の強いルアー、例えば15センチのディープダイバー系のミノーなどは、S65M/Gでは少しロッドが曲がりすぎてしまって使いにくいかもしれません、ルドラやHUミノーなど10センチ以上のミノーのジャーキングについても同じくで、ロッドアクションに対してロッドが曲がりすぎてしまうので、S65M/Gの用途としては不向きです。投げる時に重いルアーまで背負えるという許容範囲の大きさはありますが、アクションさせることまで考えると、やはり基本的には小さいルアー向けのロッドです。
万能ロッド?
考えてみたら、35gまで背負えて感度抜群。小さいルアーまでもちろん投げられて、バイトを確実に乗せて掛けた魚をバラしにくいグラスコンポジットって結構万能ロッドな気がします。上の写真はHIDEUPのN-Greedieというルアーで43gあります。テストの為に投げてみましたが、余裕でキャスト可能でした。(あくまでテストです)
シーバスのアベレージサイズが小さめなフィールドやポイント、小さめのルアーが有効なフィールドや状況にぴったりのグラスコンポジットロッドS65M/G。しかしそれ以上の価値や性能があるロッドですので、本来の使用用途に適合しないフィールドの方にも是非一度試してもらいたい1本です!