フッキングのススメ

少し前にご説明したバーブレスフックのススメ。

バーブレスフックのススメ・バーブレスフックの作り方と必要性

その中でご説明させていただいたバラさないためのファイト方法。

 

ファイト方法は説明したけど、そもそもフッキングについては書いたことなかったなぁと先日のビッグベイト便の時に感じました。

ストラクチャービッグベイトシーバスにBOATGAMER SSD C65XH

という事でフッキングについて書いてみます!

フッキングはしなくていい?

「フッキングはした方が良いですか?」とよく聞かれますが、この問いに関しては「フッキングはしなくて大丈夫。魚が乗ったらリール巻いてロッド立てるだけで大丈夫ですよ」と答えるようにしています。これ、様々な意味合いがあってこの文言になってます。

 

まず「しなくて大丈夫」と言いつつ正直フッキングは絶対した方が良い。にもかかわらず「しなくて大丈夫」と言うのは、正しいフッキングが出来ないとフッキングをすることでバラすリスクをむしろ上げてしまうとと感じるからです。

そもそもフッキングって何?って話ですが、魚の口に針(フック)を刺す、貫通させる動作のことです。バイトからランディングまでの動作の中で一番パワーを使う作業です。

 

フックを魚の口に刺す動作というのは必ず必要です。でもシーバス釣りの場合は、釣れる魚が大きいし引く魚だから耐えてれば勝手に魚がフックを刺していってくれる事が多いのも事実です。ですのでフッキングしなくてもランディングまで行けたりもします。

 

ここで正しいフッキングの手順です。

  1. バイト
  2. リールを巻いて魚の重みを感じながらロッドを引く・立てる(フッキング)
  3. 魚の重みをキープしながらファイト開始

と、このような順番になります。

 

この流れの中でどの場面でバラすかというと、①から②へ移るとき、②から③へ移るとき。つまり2回バラすタイミングが存在します。

①から②へ移るタイミングでバラす原因。ルアーを魚から取り上げてる?

①のバイトから②の魚の重みを感じながらロッドを引く(立てる)の間にバラす原因は2つ存在します。

 

まず一つ目は、竿だけでアワせているケース。バイトがあってからリールを巻いてロッドに魚の重みを乗せたままロッドを引く(立てる)というのがフッキングの動作なのですが、竿だけでビシっと引っ張る方がいらっしゃいます。

 

もちろんこれで掛かることもありますが、いきなり竿だけで合わせてしまうとせっかくバイトしてくれた魚の口からルアーを引っ張り出してしまいます。いわゆるスッポ抜けという現象です。船長目線で見ていると非常に勿体無い現象です。

プロは釣りをかっこよく見せるプロ。そして難しい動作を簡単に見せるのがプロ。何気ない動作にすごさがいっぱいつまってるんです。

鈴木斉 秋の東京湾ボートシーバスゲーム

 

これがフックが口に掛かっている状態からだとしても、竿だけで合わせるとバレのリスクがあります。そもそもフッキングはロッドのバット(付け根)部を使って行いたい動作です。バッドは太く固く作ってあるのが竿なので、バッド部のパワーを使えば力が魚に伝わりフッキングが出来ます。

 

バッドでフッキングする為には、フッキングの動作の時点でロッドのベリー(真ん中らへん)までロッドが曲がっている必要があります。この状態を作る為には、まずバイトに対してリールを巻いてロッドを曲げる動作が必要です。このリールを巻く動作なしに竿だけで合わせてしまうと、力が上手くフックに伝わらず結果フックを貫通させる事ができずにバレてしまいます。

 

後述しますが、竿だけで合わせると②から③に移るときにもさらにリスクが大きくなります。

二つ目はフッキングが早すぎるというケースです。バイトがあってから即フッキング。これも竿だけで合わせる人に多いのと、バイトが見える釣りに多い事が特徴です。(トップウォーター・穴撃ち・ビッグベイト等)バイトからのフッキングが早すぎると、これも魚の口の中からルアーを引っ張り出してきているような状態になってしまいます。

 

リールを巻くという動作には様々な目的があります。まずは先述したロッドを曲げる為ですが、加えて魚の口の周りにフックを引っ掛けるという為、さらに魚に横を向いてもらう為です。

 

フッキングは最大限の力をフックに掛けて、魚の口にフックを貫通させるのが目的です。しかしバイトがあった瞬間というのは魚の頭の向きは釣り人側に向いているはずです。この状態でフッキングしても魚がそのまま手前に来てしまうので大した力がかけられません。結果針は刺さりません。

動画で見るとフッキングの瞬間リールを巻く手が止まっているように見えますが、巻こうとしてるけどテンションがかかってるから止まってるという状態です

ルドラ、ヴァルナで狙う東京湾ボートシーバスゲーム【遠藤正明】

 

リールを巻いてロッドを曲げてからフッキングというのはロッドを曲げる動作という部分もありますが、魚が横、もしくは反対側を向く時間を作っているという部分もあります。横か反対側を向ける事ができれば、横であれば魚の平らな部分の抵抗感、反対であれば魚の推進力があるので、フッキングで掛けた力に対して魚が踏ん張ってくれます。踏ん張ってくれればフックに力が掛けられるのでフックが刺さります。

 

早合わせに気をつけて竿だけで合わせず、まずリールを巻いて竿をしっかり曲がった状態からフッキングする。これが正しい①から②へ移る動作です。

②から③へ移るタイミングでバラす原因。魚落っことす?

続いて②から③へ動作が移るときのリスクについてです。これはもう一つしかありません。リールを巻かない為にフックにテンションが掛かりきらずバレてしまうというケースです。

 

竿だけで合わせると②から③に移るときにもバレると先述しました。リールを巻かないという事は①から②の時点で運良くフッキングできたとしても②から③に移る時点でテンションがかけられず、重いルアーならルアーの重さでフックが外れる、もしくは水中で首を振られてバレるという事になります。

 

②から③に移る動作というのは、フッキングからファイトに移る動作です。ですので、動作でいうとファイトに近い動作になります。

マゴチなんて底から離れちゃったら意外と魚がこっち向いちゃうのでテンションかけるのにゴリ巻きで大変

ジグヘッドで楽しむ!東京湾マゴチゲーム

 

②から③に移る動作で正しい動作はゴリ巻きです。フッキングでロッドを曲げた状態をキープするようにリールを巻きまくります。竿が曲がり切った状態でファイトに移行です。

 

①から③に移る動作の中で、つまりフッキングという動作の中で実は最も重要なのはリールを巻くことです。リールを巻き続ければほとんどの場合フッキングは出来ていますしスムーズにファイトに移行できます。冒頭の「フッキングはしなくて大丈夫。魚が乗ったらリール巻いてロッド立てるだけで大丈夫ですよ」というのはこう言った理由があるからです。

 

ちょっと気になったのでフッキングについて書いてみました。ちなみに動画等でプロがやるフッキングって演出的な部分もあるので少々オーバーだったりします。参考にするならブラックバスなら試合中とか渋そうな取材とか、本気出さなきゃいけない場面の動画を参考にすることをおススメします。