バックラッシュしないキャスティングとは?

きっかけはアイランドクルーズのyoutubeチャンネルにいただいたこちらのコメント。

こういうコメントは非常に嬉しいです。内容としてはワイドバサルCA81がバックラッシュしてしまうという内容ですので、それにお答えさせて頂きます。

質問頂いた動画はこちら↑

 

コメント欄にも書いてありますが、バックラッシュの原因となる要因はブレーキセッティング以外にも数多くあります。むしろブレーキセッティングは最後の一手というか、最後の調整の部分です。今回はワイドバサルCA81をご購入されてのご質問ということで回答していますが、内容としてはベイトリールがバックラッシュしてしまうという大きいカテゴリの内容でお答えしようと思っています。基本的にはChibaShigaSaga様の仰る通り、キャスティングフォームというか、正しいキャスティングができればバックラッシュは確実に少なくなるはずです。

 

しっかりロッドを曲げて投げる

この写真のタックルセッティング


ロッド:BOATGAMERSSD C65XH

リール:ワイドバサルCA81R

ライン:PE4号

ルアー:ビッグバンディット(77g)


 

写真を見るとロッドがバッドまで曲がっていると思います。このようにロッドをしっかり曲げて、曲がったロッドの反発力を使ってキャストをするとバックラッシュしにくいキャストができます。

 

まずロッドをしっかり曲げるキャストをする為には、投げるルアーのウェイトに対してキャスト時にしっかり曲がってくれるロッドが必要です。単純にルアーウェイトに対して柔らかすぎるロッドを使用した場合、曲がりすぎて反発力がなく飛ばない、そして最悪破損の恐れがあります。ルアーウェイトに対して固すぎるロッドを使用した場合、ロッドを曲げ切ることが出来ずにロッドの反発力を使うことが出来ず、中途半端なキャストになってしまいバックラッシュしてしまいます。

 

ビッグベイトシーズンに多く見られるのは後者で、固すぎるロッドを使用しているが故にロッドの反発をうまく使えずバックラッシュしている方が多いです。

 

この問題については投げるルアーに適合したビッグベイトロッドを用意して頂く以外に解決のしようがないのですが、例えば80gのルアーを投げたいと考えた場合に、MAX100gまでと書いてあるロッドが適合しているロッドなのかというと、正直そうとも限りません。2oz(48g)までと書いてあってもガチガチで固過ぎて使えないロッドもあります。

 

バックラッシュの原因はリールだけでなくロッドにもあるということです。

フルキャスト=思いっきり振るじゃない

フルキャストと聞くとロッドを思いっきり振るというイメージになりがちですが、ロッドを思いっきり振ると初速がつきすぎてバックラッシュします。フルキャストで心掛けて頂きたいのは、早く振ることではなくやはりここでもしっかり曲げること。ロッドをバッドまで最大限に曲げることを意識して投げるとバックラッシュしません。

 

最大限に曲げる為には、まず持ち手です。右利きであれば右手がトリガーに近い手になるはずですが、手首の自由度を上げる為に写真のようにトリガーの前に人差し指1本で、残り3本がトリガーの後ろ部分に来るように持つようにしましょう。振る時のハンドルの向きは写真のように上か下になるようにしてください。右か左(水平方向)だと力がうまく入れられません。

 

投げる時の意識で言うと右手で振るのではなく、左手を引くイメージ。そして腰で振るイメージです。特にフルキャストにおいて腰で振る意識は非常に重要です。動画ではルアーを見ながら後ろを見て僕はキャストしています。後ろを見る動作は安全確認の意味ももちろんありますが、こうすることで腰が開き、その後のフルキャストの準備動作にもなっています。

 

強く速く振るイメージで投げると、どうしても右手だけの手投げになってしまってバックラッシュしやすくなってしまうので、引き手を意識して腰で投げるイメージが重要です。さらに投げる時にラインが弛んでしまうとバックラッシュしてしまうので、ラインが弛まないようにルアーを追いかけるようなイメージでロッドを振るとバックラッシュしません。

サミング、絶対

サミングとはスプールを指で抑えてブレーキをする動作です。最近はリールの性能が良すぎてサミングをしない方が多すぎると感じています。

 

写真を見るとスプールの上に親指が乗っています。こうすることで若干のブレーキと、糸が浮いてきた感じ(半バックラッシュ状態)を感じ取ることができるので、糸が浮いてきたなと思ったら親指で少し抑えてブレーキをかけてバックラッシュを防ぐことが出来ます。

 

また、大惨事になる前にストップをかけることもできるので、投げた時に完全に指をスプールから離さずに、スプールに親指を乗せたままサミングをしてバックラッシュを防ぐようにしましょう。

ビッグベイトを投げる方向は風下オンリー

投げる方向は風下オンリーです。つまり追い風になる方向以外に投げないでください。ベイトキャスティング、特にルアーが大きく空気抵抗の大きいビッグベイトの釣りにおいて、向かい風に投げるメリットはありません。ビッグベイトの向かい風へのキャスティングは高確率でバックラッシュします。

 

ビッグベイトシーズンは多くの船がドテラ流し、つまり風に船を流す流し方で船を流します。(ストラクチャー撃ちは除く)ドテラ流しの時は必ず右舷か左舷どちらかが追い風で投げれる舷になるはずです。追い風になる方向に投げた方が空気抵抗が少ないので、飛距離が伸びてバックラッシュが少なく、さらに船が流れていく方向なのでキャストのことだけでなく釣りとして考えた時にも、追い風方向はフレッシュな魚が多い方向でメリットがあります。ビッグベイトの釣りでは必ず追い風方向にルアーを投げましょう。

ブレーキセッティング

最後になりましたがブレーキセッティングです。まず遠心力ブレーキの僕のセッティングですが、僕は通常1個のみON。他は5個はOFFにしています。動画の時もこのセッティングです。(写真はイメージで、全てONになってます)もちろん好不調みたいなものもあったり、空気抵抗の大きいルアーはバックラッシュしやすいので、たまに2つONにしたりします。

 

メカニカルブレーキについては新品時からいじっておらず、一番フリーになる状態でスプールがガタつかない位置で固定です。

 

気をつけて頂きたい点としては、投げ過ぎにより遠心力ブレーキのブレーキブロックのすり減りです。ワイドバサルのブレーキブロックの形は凸のような形をしていますが、凸の先っぽがすり減って無くなっている場合があります。相当投げ込まないとそうはならないはずですが、バックラッシュするようでしたら一応確認してみてください。もしすり減っているようでしたらお手数ですが販売店様にメンテナンス依頼をお願いします。

 

ブレーキセッティングはもちろん重要ですが、それよりもブレーキセッティング以外の4つの項目の方が僕的には重要だと思います。1つは投げる方向についてですが、それ以外の3つについては、キャスティングフォームについての項目です。つまり正しいキャスティングができていればバックラッシュはしにくいはずということです。

 

まず、遠心力ブレーキを6つ全てONにした状態で、ブレーキセッティング以外の4つの項目を意識してキャスティングしてみてください。6つONの状態でバックラッシュしないようになったら段々とブレーキをOFFにしていくと言う方法で、ブレーキブロックが1つか2つくらいでも投げれるようになったらバックラッシュしない正しいキャスティングが身に付いたということだと思います。

 

あくまで基本的な部分ですがChibaShigaSaga様のご質問について書かせて頂きました。他にご質問ありましたらこちらのコメント欄の方にお願いします。僕のわかる範囲でお答えさせて頂きます。