BOAT GAMER SSDシリーズ最硬モデル C66SXH!!

今春、BOAT GAMER SSDシリーズには2機種ニューモデルが追加となります。1機種はS76ML FALL & BOTTOMです。こちらについては前作のS76 BLACK&FLATとブランクスやガイドなどロッドとしては全く同じものです。パワー表記や、ルアーウェイトなどの表記がわかりづらかったので、表記と名前をリニューアル、さらにマゴチ狙いの時のティップの視認性を上げるために、蛍光イエローティップを採用したという部分の変更のみで、ロッドとしての変更はありません。それほど完成度が高いモデルということです。

 

さて今期追加となる2機種の内もう一本は完全なニューモデルです。6フィート6インチのシリーズ最硬ビッグベイトロッドのC66SXHです。これ以上硬いロッドはいらないと思います。間違い。これ以上硬くて短いロッドはいらないと思います。

なぜ短いか

まずレングスが短い理由については、C65XHの時から短いに対するコンセプトは変わっておらず、ロッドでのジャーキングのしやすさを強く意識して短くしております。和船タイプが多いシーバスのキャスティング船において、足場が高い船は比較的稀です。和船タイプの足場が低い立ち位置から、下方向に向かってジャークしても水面にティップが当たらないようにレングスを短くしてあります。もちろん疲労度の軽減にも一役買っております。

 

さらにグリップも短めに設定しており、ジャーキング時に脇にグリップエンドが引っかかってジャーキングができないという不便をなくしました。この辺りでもうお分かりだと思いますがC66SXHはロッドでのジャーキングを強く意識したロッドです。

 

短い理由については今までお伝えしてきたことなので、さほど驚くことではないと思います。しかし、今回のC66SXHの特徴は短くて硬いという部分です。この短さでこの硬さのロッドは恐らく他にありません。ないから作りました。拘った部分は短さよりも硬さですので、硬さについて詳しくお伝えしていきます。

なぜ硬いか(アクション)

まず、目指したのは200mm以上のジャークベイトまで切れ良くジャーク出来る硬さです。これはコノフラット240Fを開発中に気付いた、とても初歩的な一件からこのロッドの必要性に気付いたことによります。

 

「ルアーが動かない」

 

当時開発中のコノフラット240Fですが、綺麗にダートしなかったのです。ボディの厚さを変えたり形状を変えたりと試行錯誤しましたが、一向にルアーが綺麗に動きませんでした。これがものすごく初歩的な部分が原因だと気付き一気に解決しました。テストに使っていたロッドが柔らかかったのです。

 

今となっては笑い話ですが、あまりにも初歩的な部分すぎて当時このことに気付かなかったのです。そもそもそんな硬いロッドまだ世にない時代でしたので気付くはずもなく。そしてこの時短くて硬いロッドの必要性を強く感じたのです。

 

実はコノフラットやビッグバンディット等のジャークベイトは、綺麗に動くロッドの硬さというものがルアーサイズで変わってきます。コノフラットは3サイズラインナップされているので、BOAT GAMER SSDシリーズで当てはめてみると、

 

コノフラット160F → C65XH

コノフラット195F  → C610XXH

コノフラット240F →  C66SXH

 

このようになります。もちろん好みの部分もありますが、ルアーに対してロッドが柔らかいとダートしない、ロッドが硬いと潜らせずらいという弊害が出てきます。

 

話しが少しずれましたが、200mm以上のジャークベイト、トップウォーターなどのロッドでジャークする大型のルアー類を綺麗に動かす為にC66SXHは硬くしてあります。

なぜ硬いか(スーパーランカーハント)

さらに硬いにはアクション面以外にももう一つの意味があります。スーパーランカー以上を獲る為の硬さです。これもコノフラット240Fが出た年に事件が起きました。僕がコノフラット240Fでメーターオーバーをバラしたのです。もちろん目視でしか確認は出来ていませんが、自身過去一のサイズであることは間違いありませんでした。

 

その時はC610XXHを使っていたのですが、コノフラット240Fにバイトした後のフッキングが問題でした。C610XXHまでは曲げて獲るがテーマのロッドだったのですが、魚がデカすぎてバッドまでロッドが曲がり切ってしまいテンションがかけ切れなかったのです。

 

魚はラインテンションが掛かり引っ張られることで、嫌がって反転し走り出します。この反転して走ることでフッキングが完成するのです。逆にいうと魚が嫌がるほどのテンションをかけないと反転しないので、フッキングが出来ないのです。

 

このメーターオーバーをバラした時は、テンションをかけようと巻いて引っ張ってを繰り返してもグニグニバッドまで竿が曲がってしまって、ただシーバスはなんとなく自分の方に向かってくるだけでした。これは竿が曲がり過ぎてしまってシーバスが嫌がるほどのテンションをかけ切れてないということです。そのうちにフッキングもできずにヘッドシェイクしてバレてしまいました。

 

曲げて獲るというコンセプトがBOAT GAMER SSDシリーズの共通のコンセプトでした。しかしレコードクラスのデカすぎるシーバスに太刀打ちできなかった悔しい経験から、C66SXHはシリーズ唯一曲げないで獲るというコンセプトのもとバッドの硬さに拘りました。スーパーランカー以上のサイズが来ても、しっかりバッドが残ってくれて。フッキングを完成させる為の硬さです。

 

その甲斐あって95センチをテスト中しっかりキャッチできました。バラしたのはこんなものではなかったですが、ひとまず目的は達成されました。

 

スーパーランカーハントに必要な硬さを持たせたC66SXHですが、C610XXHが柔らかくて使えないということではありません。C610XXHが柔らかいと感じたのは、このシリーズを使い続けている僕の経験を持ってしても、このメーターオーバー疑惑の魚がかかった時のみです。ランカーサイズくらいではC610XXHが柔らかいと感じることはありませんのでその点はご安心ください。

硬さがもたらす副産物

C66SXHを使用してから明らかにビッグベイトのバラシが減りました。これは硬さが生み出した副産物ですが、バイトの瞬間にロッドの硬さでフックを貫通させるということが出来ている結果だと思われます。

 

ビッグベイトのバレる原因のほとんどは、フックを貫通させることが出来ていない為です。これをC66SXHのロッドの硬さで解消しているのです。シリーズ最硬と言っていますが、もちろんガッチガチではなく調整してあります。ガチガチにしすぎると、バイトした時に手ごと弾かれちゃって逆にフッキングしないんです。手が弾かれず針が立つギリギリの硬さに調整してあります。フックサイズの目安としては2/0のトレブルあたりからバレにくさを実感できるはずです。ルアーサイズで言うと180mm以上のルアーがそれにあたります。

 

また、ティップ部分もルアーが水を噛むように少しシロを残してあるというか、ガッチガチではなくほんの少しだけ柔らかくしてあります。このほんの少しの柔らかさがあることで、ジャークベイト等が格段に動かしやすくなるのです。

スペシャルでスタンダード

200mm以上のルアーをアクションさせる為に、そしてスーパーランカーを獲る為に硬さを求めたロッドC66SXH。もちろん開発時のコンセプトはしっかりと達成されていますが、出来上がって使い込むほどに、硬さがもたらすメリットが見えてきました。しかし今まで使っていたロッドよりも間違いなく硬いロッドで、アングラーの技量が求められるロッドになったことも間違いありません。

 

硬いロッドをしっかりと曲げて投げる、魚がかかったらしっかりと曲げてファイトする、これに加えて200mm以下のルアーの場合アクションに繊細さが求められます。

 

逆にいうとこれができれば、C66SXHはスペシャルな一本というよりはシーバスビッグベイトゲームのスタンダードな1本となりうるロッドです。ビッグベイトはほぼこれ一本でやるという方も出てくるはず。そのくらい硬さがもたらすメリットは大きいのです。

 

200mm以上のジャークベイトとペンシルを軽快に動かしたい方に、スーパーランカーハントに、さらに硬いロッドを求めていた方に、今春発売のBOAT GAMER SSD C66SXH ぜひ使っていただきたい一本です。