フッキングのススメ

少し前にご説明したバーブレスフックのススメシリーズ。

バーブレスフックのススメ・ちゃんとしたファイトとは?

その中でご説明させていただいたバラさないためのファイト方法。

 

ファイト方法は説明したけど、そもそもフッキングについては書いたことなかったなぁと先日のビッグベイト便の時に感じました。

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という事でフッキングについて書いてみます!

フッキングはしなくていい?

「フッキングはした方が良いですか?」とよく聞かれますが、この問いに関しては「フッキングはしなくて大丈夫。魚が乗ったらリール巻いてロッド立てるだけで大丈夫ですよ」と答えるようにしています。これ、様々な意味合いがあってこの文言になってます。

 

まず「しなくて大丈夫」と言いつつ正直フッキングは絶対した方が良い。

でも「しなくて大丈夫」と言うのは正しいフッキングが出来ないとフッキングすることで自分から魚をバラシにいってるだけだと感じるからです。

 

そもそもフッキングって何?って話ですが、魚の口に針(フック)を刺す、貫通させる動作です。という事は、バイトからランディングまでで一番パワーを使う作業のはず。刺さっちゃえばあとは維持するだけですから。

 

フックを魚の口に刺す動作というのは必ず必要。でもシーバス釣りの場合は、魚が大きいし引く魚だからこっちが耐えてれば勝手に魚がフックを刺していってくれる事が多いのも事実です。ですのでフッキングしなくてもランディングまで行けたりもします。

 

というかそもそも正しいフッキングの手順です。

  1. バイト
  2. リールを巻いて魚の重みを感じながらロッドを引く・立てる(フッキング)
  3. 魚の重みをキープしながらポンピング

と、こういう順番になります。

 

普通ですよね。んなことわかるよって感じですね。で、どの場面でバラすかというと、①から②へ移るとき、②から③へ移るとき。つまり2回バラすタイミングが存在します。

①から②へ移るタイミングでバラす原因。ルアーを魚から取り上げてる?

①のバイトから②の魚の重みを感じながらロッドを引く(立てる)の間にバラす原因は2つ存在します。というかこの場面だとまだ魚もかかってないのでバラすというのも違う気がしますが。

 

まず一つ目は、竿だけでアワせているケース。バイトがあってからリールを巻いてロッドに魚の重みを乗せたままロッドを引く(立てる)というのがフッキングの動作なのですが、竿だけでビシっと引っ張る方がいらっしゃいます。これだとせっかくバイトしてくれた魚からルアーを口から引っ張り出してるようなものです。恐らくテレビや動画でプロがかっこよくフッキングしているシーンを真似ているのだと思いますが、動作だけ真似しても本質は全く違っています。

プロは釣りをかっこよく見せるプロ。そして難しい動作を簡単に見せるのがプロ。何気ない動作にすごさがいっぱいつまってるんです。

鈴木斉 秋の東京湾ボートシーバスゲーム

 

例えばフックが口にかかっている状態から竿だけで合わせてもバレのリスクがあります。そもそもフッキングはロッドのバット(付け根)付近を使って行いたいのが本来です。つまりフッキングの動作の手前の時点でロッドのベリー(真ん中らへん)まで曲がっていて欲しいのですが、リールを巻かないとティップ(竿先)しか曲がっていない状態からフッキングすることになってしまい、フッキングしても力が上手くフックに加わりません。つまりフックを貫通させられません。

後述しますが、竿だけで合わせると②から③に移るときにもさらにリスクが大きくなります。

 

二つ目はフッキングが早すぎるというケースです。バイトがあってから即フッキング。これも竿だけで合わせる人に多いのと、バイトが見える釣りに多い事が特徴です。(トップウォーター・穴撃ち・ビッグベイト等)バイトからのフッキングが早すぎると、これも魚の口の中からルアーを引っ張り出してきているような状態になってしまいます。

 

リールを巻くという動作は、様々な理由があります。まずはロッドを曲げる為ですが、続いて魚の口の周りにフックを引っ掛けるという為、加えて魚に横を向いてもらう為、この三つだと思っています。

 

単純なことを言いますがフッキングは思いっきり最大限の力を魚に(フックに)掛けるのが理想です。これは一つの考え方かもしれませんが、バイトがあった瞬間というのは魚の頭の向きは釣り人側に向いているはずです。この状態で引っ張っても魚がそのまま手前に来てしまうので大した力がかけられません。

動画で見るとフッキングの瞬間リールを巻く手が止まっているように見えますが、巻こうとしてるけどテンションがかかってるから止まってるという状態です

ルドラ、ヴァルナで狙う東京湾ボートシーバスゲーム【遠藤正明】

 

リールを巻いてロッドを曲げてからフッキング、というのはロッドを曲げる動作という部分もありますが、魚が横、もしくは反対側を向く時間を作っているという部分もあります。横か反対側を向けば、横であれば魚の平らな部分の抵抗感、反対であれば魚の推進力があるので、フッキングでかけた力に対して魚が踏ん張ってくれます。踏ん張ってくれればフックに力がかかります。ちなみに横を向く時間を作ると書きましたが、こっちがリールを巻いて少しテンションを掛けるから嫌がって横を向くという部分もあると思います。いずれにせよリールを巻くという動作は非常に重要ですので、即アワセは厳禁です。

②から③へ移るタイミングでバラす原因。魚落っことす?

続いて②から③へ動作が移るときのリスクについてです。これはもう一つしかありません。ファイトの時にもお伝えしましたが、リールを巻かないためにフックにテンションがかかりきらずにバレてしまうというケースです。

 

竿だけで合わせると②から③に移るときにもバレると先述しました。リールを巻かないという事は①から②の時点で運良くフッキングできたとしても②から③に移る時点でテンションがかけられず、重いルアーならルアーの重さでフックが外れる、もしくは水中で首を振られてバレるという事になります。

 

②から③に移る動作というのは、フッキングからファイトに移る動作です。ですので、動作でいうとファイトに近い動作になります。

マゴチなんて底から離れちゃったら意外と魚がこっち向いちゃうのでテンションかけるのにゴリ巻きで大変

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②から③に移る動作で正しい動作はポンピングと書きつつゴリ巻きです。フッキングでロッドを曲げた状態をキープするようにゴリまきします。曲げた状態でポンピングに移行です。

 

基本的に①から③に移る動作の中で、最も重要なのはリールを巻くことです。リールを巻くことをやめなければフッキングは大体できてます。正直ロッドのバシってやつはできる人はやった方が良いという優先順位になります。という事で冒頭の「フッキングはしなくて大丈夫。魚が乗ったらリール巻いてロッド立てるだけで大丈夫ですよ」こういったことになります。

 

ちょっと気になったのでフッキングについて書いてみました。ちなみにプロがやるフッキングって演出的な部分もあるので少々オーバーだったりします。参考にするなら試合中とか渋そうな取材とか、本気出さなきゃいけない場面の動画を参考にすることをおススメします(笑)